薬としてのカエル

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昔、ヒキガエルの皮膚から出る分泌液(ぶんぴつえき)が、薬として販売されていました。その薬としての効果が疑問ですが、実際に売られていたのです。中国のとある初老の老人が、治らない腹痛と咳に悩み、その治療として生きたままのアマガエルを飲み込んでいたそうです。何をしても治らなかった腹痛と咳が、1ヵ月後には治ってしまったそうです。これは本当にカエルの効果だったのかは疑問です。

ガマの油

ヒキガエルガマの油は、江戸時代に傷の薬として使われていました。ヒキガエルの皮膚から出る分泌液を煮詰めて作った軟膏(なんこう)だったと言われています。

この分泌液にはブフォトキシンという、血管を収縮(しゅうしゅく)させる働きがあるので、小さな傷の止血剤として使えるでしょう。ガマの油といいながら、実際の主な成分は馬の脂から作られる馬油とも言われています。

現在ではガマの油本舗が閉店してしまったため、ガマの油は作られていませんが、この成分が入った薬はあります。成分については、このページの下の記事で紹介していきましょう。ちなみに馬油は現在でもヤケドや乾燥肌などに使われています。

ガマの油売り

江戸の中期になると、縁日や祭りでガマの油がたくみな口上で売られるようになりました。台の上に干からびたヒキガエルを置き、かすりの着物に白い袴(はかま)とたすき、鉢巻をして腰に刀を差した出で立ち(いでたち)で口上を行います。昔は良く見られた光景でしたが、現在では、伝統芸として受け継がれています。

ガマの油売りの口上

ガマの油売りの口上は、とてもリズミカルで見ている人を引き込みます。

『さあさ、お立会い。御用とお急ぎでない方はゆっくりと聞いておいで』

からはじまるガマの油売り。ガマの油に使われるのは四六のガマとの触れ込みになっています。前足が4本、後ろ足が6本あるヒキガエルということです。

『ガマの油を取るには、四方に鏡を立て、下に金網をしき、その中にガマを追い込む。ガマは己(おのれ)の姿が鏡にうつるのを見ておのれと驚き(おどろき)、たらーりたらりと油汗を流す。』

こうしてとったヒキガエルの油を煮詰めたものがガマの油だと説明します。そして、先だけがよく切れる刀で紙を切ってみせ、きれないようになっている部分の刃で自分の腕を切りつけて見せます。

その刀には赤い液がぬってあり、離れてみていると、刀で腕が切れたように見えます。そしてガマの油を傷にみせかけた場所にぬって見せ、ガマの油を拭き取ると、傷がなくなっているというものです。

そしてガマの油をぬった場所に再び刀をひいても、傷が全くつかずに切れないと宣伝します。口上でのガマの油の効き目は、切り傷、ひび、あかぎれ、はれもの、痔、しもやけに効果があると口上では語られます。

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せんそ

ヘリグロヒキガエルヒキガエルの皮膚から出る液体には、『せんそ』という成分が含まれています。生薬(しょうやく)の一つで、アジアヒキガエル、ヘリグロヒキガエルから集めて乾燥させたものです。

色は赤黒いか黒っぽい色をしています。臭いはないのですが、味はとても苦くて刺激(しげき)があります。長く皮膚や粘膜(ねんまく)についていると痛くなってきます。

せんその効果

せんその効果は、強心作用(心臓の働きを高める)、血圧降下作用(高い血圧をさげてくれる)、冠血管拡張作用(狭心症に効果)、胃液分泌抑制(いえきぶんぴつよくせい)効果(胃液が出すぎるのをおさえる)、局所麻痺(きょくしょまひ)作用(部分的に感覚をなくする)、抗炎症(こうえんしょう)作用(炎症をおさえてくれる)などの効果があります。せんそを使った有名な薬では、六神丸があります。

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